キャットタワー天守閣攻防の陣
キャットタワーの主は、檸檬さんである。それは楓がリビングの誰も昇れない梁に独力で到達した為、せめて二番目に高いキャットタワーの最上段を檸檬さんは意地にかけて死守していたからである。
しかし、そんな彼の気持ちなんてこれっぽっちも分からないお子ちゃまの楓とさくら。さくらは後から入ったことや、女の子であること、小柄であることから檸檬からは「庇護してやるもの」の意識があるので、天守閣で図々しくさくらが昼寝していても怒らないが、楓となると、男と男の勝負、体重も同じ、来た日も同じなのでライバル心が一杯だから心穏やかではない。
楓が檸檬のいる天守閣に遠慮なく登ったので、檸檬、怒りのうなり!
ついにバトルに! ・・・そんなことはお構いなしに、しっぽにじゃれるさくらちゃん。(^_^;)
おおーっと、楓くん、天守閣から突き落とされそうに!すんでのところで持ちこたえた!
「このしっぽ・・・触ったら怒られるかしら。触りたい・・・触りたい・・・うずうず。」
そうこうしていたら、今度は檸檬が返り討ちにあっている!
「・・・だから、さくらちゃん、その尻尾待ちしてる嬉しそうな顔で見ないでくれる?こっちは真剣なんだから。」
結局、楓が折れる形でタワーを降り、檸檬は悠々と午後の昼寝を楽しんだのであった。勝って満足そうな笑みが見えるのは気のせいか?
いじけた楓は、ちょっと難易度の高い階段の笠木を一周して見せ、去った。(さくらはもちろん届かない、檸檬はかつて足を踏み外して落ちた)
で、後日談・・・
楓は、その数日後、この笠木から何を思ったか階段の手すりに飛び移ったのだが、当然ながら急勾配。数歩は歩けたものの、地球の引力は関数を習っていないと予測がつかないから、楓は加速度がつくとは知りもせず、4歩目あたりで階段のほうにボテっと背中から落ちたそうだ。慢心はいけないという教訓だね。怪我がなくてよかった。子猫だから許されるアホだ・・・。ちゃんと関数習いなさいね。
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