災難は10月の台風のようにやってくる
今日は、建築中の我が家の上棟の日だった。
午前中、私は社宅の清掃(ドブさらい&草むしり)をし、夫は肩のリハビリに行き、息子は宿題を片付け、午後に一家で上棟式に向かう------筈だった。
私が草むしりをしているところに、息子が走ってきて言った。「父さんが、事故にあったって電話があった。すぐそこだから母さんも来て!!」
私は社宅の人に事情を話して作業を抜けさせてもらい、軍手を外すのも忘れて急いで自転車に飛び乗って現場に急行した。どうかこの前折った左肩を再び折っていませんようにと祈りながら。果たして、家から3分のところに警察と救急隊の人垣ができていて、その中心に夫が倒れているのが見えた。駆け寄ると、意識はあるし、応答に反応するので命には別状ないようだ。
「妻でございます。お世話様です。何があったのでしょう。」
どうやら夫が自転車で走行中、対抗して走ってきた自転車が3台、猛スピードで坂を下ってきたが、夫の走行区域に駐車車両がいたため、それを追い越していこうとしたら、そのスピードの乗った3台と正面衝突しそうになり、回避行動をとった時に転倒したという事故らしい。相手は衝突しなかったので、そのまま立ち去っている。夫は右側を下にして、顔から落ちている。
夫は、4月に折った鎖骨による左腕の可動域制限のためにリハビリに行こうとした、その道中だった。数日前に、骨もつき始めたので、中に入れたプレートも12月には外せそうですと言われたばかりだったのに。幸い、打ったのは左肩ではなかったらしい。体内の固定用金属プレートを入れたまま再び衝撃が加わると、骨がバラバラになると聞いていたので、それがまぬがれただけでもラッキーだった。
警察と救急車は、すぐ近くのY運輸の営業所の方が呼んで下さったらしい。夫と私の自転車も救急車に乗ってしまうので、預かってくれることになった。ありがたいことだ。
救急車の中で、かかりつけの整形外科に向かう途中であったこと、その整形外科は救急外来もあることなどを話し、すぐ話はまとまり、そこに搬送された。頭はロードバイク用のヘルメットを被っていたし、メット自体に傷がないことからも、頭部に問題はなさそうだったが、顔面から落ちているので、眼窩の骨折やそれによる脳の圧迫も考えうるとのことで、最初は整形外科は難色を示したそうだが、かかりつけであることや、CTやMRIの結果、脳神経外科や口腔外科の治療が必要と判明すれば転院することを条件に受け入れを承諾してもらった。(整形外科は、頚椎より上は範疇外なのである。)
検査の結果、第6胸椎の圧迫骨折の疑いありと診断された。胸椎の圧迫骨折が今回の事故によるものであれば、入院加療1ヶ月を要すとの診断で、その場で入院が決まった。
そこまで見届けてから、私は上棟式に一人で向かった。事故の時点で、電話で事情を話し30分開始を遅らせてもらうことにしてあったが、それには間に合った。日延べをすることも考えたが、多くの人が既に現地に向かっていることや、工事の日程が延期になることを嫌った夫も、自分は大丈夫だから上棟に行ってくれと言うし、私も夫は心配要らなそうだと判断したためだ。ドライと言われるかも知れないが、我が家はそういう家だし、私自身、交通事故の怪我のことを仕事にしてきた関係で、正直、余り動揺していなかったこともある。
上棟の確認作業、顔合わせなど一通り済ませ、急いで帰宅して、夫の入院荷物をとりまとめると、息子を連れてまっすぐ病院に直行した。
夫は、私があっけにとられるくらい、元気にベッドに腰掛けて夕飯を平らげていた。胸椎圧迫骨折の人が出来る動きじゃないよ?・・・夫に聞くと、事故直後の医師より年配の医師がくまなく夫の背中を触診し、肩甲骨の骨折を見つけ、逆に胸椎の圧迫骨折は確かにあるものの、痛みがないことなどから、どうも今回やったものではないようだとの見解だった。従って、肩甲骨の骨折は端が分離骨折しているものの手術の必要もなく、数日で退院できるとのことだった。
この10月からやっと有給休暇の日数がリセットされて30日分くらいもらえたばかりなのに、早速1ヶ月も入院かと暗澹たる思いでいたが、どうやら杞憂に終わりそうだ。背中は確かに強打したらしく、着ていた服にもその痕跡がくっきり残っているが、打撲で済んだようだ。
一応は胸椎の様子も観察ということで入院するが、異常なければ即退院らしいので、息子と胸を撫で下ろして帰宅した。やれやれ、なんてこった。病棟の看護婦さんはまだ夫のことも私のことも覚えていた。「12月にまたプレートを外しにご厄介になりにきます。」と言ったら苦笑いされたが。
帰宅後、息子は緊張の糸が切れたのと、父親が心配なのと、鈴鹿の疲れとがいっぺんに押し寄せ、暫く号泣していたので、一緒に寝てやった。大丈夫だよ。きっとすぐ良くなるから。元気に夕飯平らげてたじゃない、でしょ?と言ったら少し安心したようだ。
私も慌しい一日の疲れから息子と一緒に少し寝て、それからローズ・ウッドの精油を落とした風呂にゆっくり浸かって今、PCに向かっている。そう --- 、夫は必要なものは?との問いに「Macと・・・」といの一番に上げたくらいなのだから、何の心配も要らないのだ。
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コメント
カズさん、お見舞い申し上げます。
鎖骨の治りかけているところにこの事故で、たいそう肝を冷やされた事と思います。
身体のアチコチが骨折されている状態というのは想像し難いのですが、前から後ろからとお辛い事と思います。一日も早く完治されるよう、お祈りしております。
それにしても接触していないとは言え、人が倒れているのに走り去る族の気が知れん。今度見付けた際には、産まれて来た事を後悔するくらいに、とっちめてやります!
冗談はさておき、どうぞお大事になさって下さい。
>はるみさん
何かとお忙しい上にまたご主人様の負傷と、ますます大変な日々が続くと思いますが、お身体だけは大切になさってくださいね。
あぁご主人様、今シーズンのどこかのチームと運命を共にしているような…あっこれまた失言(; ̄ー ̄A
投稿: hm_ato | 2005年10月16日 (日) 02:01
hm_atoさん
ご心配ありがとうございます。まあ大変は大変ですが、夫本人は大丈夫そうなので一安心です。引越しや家の手続きは私一人でやるのかと思うと気が重いですが。
どこかのチームって・・・ファッサ・ボルトロ?いや、ランプレ?いや・・・もしかしてBARとか?違うな、壊れ続けてタイトルを逃したマクラーレンのキミのマシンのことですか?
投稿: はるみ | 2005年10月16日 (日) 02:13
ええーっ、また大変な・・・。
でも大事に至らなくてなによりでした。
息子さんも心配だったよね・・・。
いろいろ忙しくて大変そうだけど、自分が
倒れないように気をつけて・・・ね。
投稿: akberlin | 2005年10月17日 (月) 02:59
え〜皆様、ご心配をおかけしております。ガラスの骨を持つ男、晴美の夫でございます。自転車とオートバイに乗りたいがために嫌いな牛乳を毎朝飲んでがんばってきたのに(笑)、また骨折なんて…
でも救急車で担ぎ込まれたわりにはぴんぴんしてます。数日で退院できると思います。
ありがとうございました。
投稿: かず | 2005年10月17日 (月) 11:13
かずさん
軽症で何よりでした。ところで私のハンドルは、平仮名なんです。(汗)
投稿: はるみ | 2005年10月18日 (火) 02:39
>平仮名なんです
あれ?いつの間にか変換キー押してるし(^^ゞ
投稿: かず | 2005年10月18日 (火) 14:34
ソ、ソニーエリクソン?
http://www.cyclingtime.com/modules/wordpress0/index.php?p=1601
とりあえず、週末は中野さんの応援に行ってきます!
投稿: minikawa | 2005年10月18日 (火) 23:37
>ソ、ソニーエリクソン?
あぁ、シモーニ、どこにゆく〜〜
投稿: かず | 2005年10月19日 (水) 13:57
minikawaさん
ジャパンカップ、結局夫の骨折で見に行くことは叶わなくなりました。色々な方々の応援、よろしくです。
かずさん
シモーニ・・・。さて・・・。(^_^;)
投稿: はるみ | 2005年10月21日 (金) 00:35
>はるみさん
ああ、やっぱりそうですか。そりゃそうですよね、残念。
M氏には今年も出るの?とメールを送りましたが例によって返事は来ません(w。
まあ明日には判明するでしょう。有休取って会場に行くので。
そういや、ペタッキも来年はコルナゴらしいですね。M氏は彼が来年乗るモデルを既に自分用に組んだらしいです…。うらやましい。
投稿: minikawa | 2005年10月21日 (金) 01:26
minikawaさん
夫が息子に世界選手権でペタッキが負けたことを言ったら憮然としていましたが、コルナゴと契約したことを言ったら相好を崩していたそうです。単純。
投稿: はるみ | 2005年10月21日 (金) 01:31
M氏、なんか自宅でCRISTALLOらしきものを組んでますねぇ。いいなぁ、自分で組める人 & 社用車を使える人…
投稿: かず | 2005年10月23日 (日) 21:03
ま、彼はエンジンからして我々とは段違いですから(^_^
実力にふさわしいという意味では自分のフレームはゴニョゴニョ...
投稿: minikawa | 2005年10月24日 (月) 23:36
>かずさん
シモーニ、サウニエルデュバルに決まりましたね。
ひょっとしたら来年のジャパンカップに来るかもしれませんよー。
投稿: minikawa | 2005年10月25日 (火) 00:36